更新契約の留意点
更新には3種類の更新があります。1つ目は、期間満了前に借主に条件を通知し双方合意の基に更新される「合意更新」。
2つ目は、何らかの事情で期間満了後も手続きが取れず更新契約を締結できないままの「法廷更新」。
3つ目は、期間満了後は、自動更新となる旨が記載された「自動更新」。
一般的な更新業務は、1つ目の「合意更新」となりますが、ご留意いただきたいのは2つ目の「法廷更新」となっているケースです。
実務上、数十年前の原契約から、更新がなされていないケースも度々お見受けします。
法廷更新となっている場合、条文が現在の賃貸事情に即していないこと等の問題点もありますが、大きなリスクは「更新料の請求ができなくなる」という点です。
なぜ請求ができなくなるかというと、法廷更新となった場合は、当初の期間(通常2年更新)ではなく、従前の条件で期間の定めのない契約となるためです。
期間の定めがないため、契約期間といった概念がないのです。
極端な話、更新料を払いたくない借主が、意図的に合意更新を拒み、法廷更新と持ち込んでしまう事もできます。
借主に偏った法律であると言わざるを得ませんが、現在の借地借家法ではこれが現実です。
このようなリスクを未然に防ぐには、大前提として、更新の案内を怠らない事が最重要です。
そして、契約書には「法廷更新された場合でも2年ごとに更新料を支払う」、「法廷更新された場合の契約期間は2年間とする」等の文言をしっかり契約書に明記しておくなど、事前の対策が必要となります。