地籍調査とは??
地籍調査とは、主に市区町村が主体となり、土地の「所有者」「地番」「地目」を調査し、境界の位置と面積を測量する調査です。
土地に関する記録は、通常、登記所によって管理されていますが、現在備付けられているものは、その半分程が明治時代の“地租改正”時に作られた地図等を基に作られているため、正確ではないケースが多々あります。
地籍調査が行われることにより、境界や面積等の登記情報が正確なものに改められ、境界をめぐる紛争を未然に防止でき、土地取引の円滑化や資産の保全を図ることができます。
土地取引をめぐるトラブルとしては、①土地を購入し、改めて測量を実施したところ、登記簿の面積と実測面積が違っていた②塀をつくりかえようとしたら隣地の所有者から境界の位置が違うといわれた③相続した土地の正確な位置がわからなかったなどの事例が多く見受けられますが、地籍調査後は、土地の表示に関する登記情報が正確なものに改められるため、そのようなトラブルも解消されます。
地籍調査自体は、昭和26年から行われており、開始から70年以上が経過していますが、全国的な進捗率は“52%”で、都市部や山間部での遅れが顕著となっています。
半世紀以上経過しても調査が完了していない背景には、「所有者の不明」「住民の立会い等の調査協力が得られない」「土地の資産価値が高く所有者の権利意識が強いため境界確認に多くの時間を要する」などが挙げられます。
都内では、境界点が数ミリずれてしまうだけで、資産価値に及ぼす影響が大きいため、所有者の方が協力されないケースもあります。
ただ、境界確定されていない土地は買手が限定されるため、資産価値を落とす要因となります。
従って、地籍調査が行われる際には、積極的に協力することをお勧め致します。