長期にわたる低金利が続く中、最近、不動産投資を考える人たちも増えてきました。
そこで、不動産投資の実態と、本当に有効な投資手段なのかについて、考えてみたいと思います。
1.不動産投資が注目される背景
景気がなかなか上向かず、個人所得の伸びも大きくは見込めない中、公的年金などを含め、将来への不安が増しているのが現状ではないかと思います。
このような時代だからこそ、生活防衛のために資産を守り、効率的に運用する必要があります。
とはいえ、安全第一の預貯金は、10年以上もほぼゼロ金利状態が続いています。
また、比較的リスクの低いと言われる公社債や国債も、金利は低水準で、大きな運用益は期待できません。
そんな中、投資方法の一つとして、注目を浴びているのが不動産投資です。
投資目的は、バブル期のような「キャピタルゲイン」狙いではありません。
不動産を安く買って高く売るといった投資は、長引く地価の低迷もあり、個人がたやすくできる状況ではなくなりました。
主たる目的は、定期的な家賃収入による「インカムゲイン」です。
1000万円を銀行に預金しておいても、1年間に1000円程度しか利息が付かないのであれば、1000万円のワンルームマンションを購入して、家賃を年間60万円から100万円受け取ろうといった考え方です。
特に、現在は、借入金利も非常に低いため、不動産投資への関心が高まってきていると言えます。
2.不動産投資と株式投資との比較
現在の不動産投資は、上述したように、キャピタルゲインからインカムゲインが主流になってきています。
それに対し、株式投資は、配当収入を目的とする人もいますが、やはり値動きが大きいため、大半の投資家は、キャピタルゲインがその主たる運用目的といえるでしょう。
株式は価格変動が大きいため、常に相場を気にしておく必要があるとともに、最近では、金融緩和の影響で、投資マネーが増大するとともに、高速システム売買が行われていることから、市場におけるブレ幅が非常に激しくなっている状態です。
従って、安定した収益を上げ続けることは、そうたやすいことではありません。
また、株式は、優良企業であっても経営陣の不祥事や粉飾決算などにより、一夜にして株価が暴落するといったこともあります。
一方、不動産投資の賃料収入は、2年ごとの賃貸借契約を基準として、家賃が決まるため、短期間に急激に変化することはありません。
もちろん、家賃滞納などによって、収入が入らないこともありますが、最近では「家賃保証会社」を利用することで、リスク回避できる方法もあります。
不動産投資の場合、その物件のオーナーになるため、株式と違い、会社の業績や経営者の判断などによって、利益が左右されることがほとんどありません。
逆に言えば、自分がしっかりと判断して、運用していく事が必要とあるといえます。
<まとめ>
・低金利下、借入もしやすく、安定した家賃収入が見込
める不動産投資に関心が集まっている
・株式投資と比べ、利益のブレが少なく、自分の判断で管
理することが可能