令和4年4月、相続税を巡る裁判に判決が出ました。
概要は、「相続税路線価等に基づく評価」で算出した原告である相続人の賃貸マンションの評価額が、「きちんと相続税路線価等に基づき評価している」にもかかわらず、否認されたというもの。
つまり「もっと価値がある」から、税金を収めてくださいという判決です。
注目の判決となった理由として、不動産の評価は、土地は「路線価方式又は倍率方式」建物は「固定資産税評価額」を用いて評価するよう国が定めています。
つまり、国が定めた評価方法を国が否認すか否かという観点から注目を集めた裁判となりました。
一般的に財産評価基本通達による不動産の評価額が、実際の取引価格より低いことを利用した節税対策は広く行われていて、そのこと自体は問題になりませんが、今回のケースで原告(納税者側)が敗訴した理由としては、
① 被相続人は90歳を過ぎて
からマンション2棟を購入。
② 被相続人が孫と養子縁組
をしてから間もなくマンションを購入。
③ 相続人の孫が、相続から9
カ月後にマンションを売却。
つまり、一連の不動産取引が短期間で行われていて、“節税目的”があからさまであった事などが敗訴となった要因といえます。
中でも、今回の判決の注目点としては、
①のマンション購入が、相続の直前ではなく、2年半および3年半前であったにもかかわらず、当局の指摘の対象になったことです。
このことから、“相続税対策”は、より早くから検討しなければならないという点は、今後の留意点といえます。
当社では、路線価方式での評価をはじめ、時価の算出や相続に関するご相談も承っております。
まずは、お気軽にご相談ください。