相続登記の義務化とその背景
現在、所有者不明の土地は、全国で410万ヘクタールにおよび、その面積は、九州全土の面積を超える広大な広さです。
このような背景や所有者不明の土地により東日本震災の復興事業の妨げとなった事などを鑑み、相続登記(住所変更に伴う登記を含む)の義務化が、2024年4月1日より施行されます。
現在の相続登記に期限や義務はありませんが、手間や費用がかかる事や登記しなくてもすぐに不都合が生じる事が少ないため放置しがちになっているのが実情です。
次に、相続登記をしない事によりどのような弊害が起こるのか見てみましょう。
①売却ができない
不動産の登記は実態に即して行われている必要があり、被相続人から買主に対し、直接、所有権の移転登記をすることはできません。
②権利関係が複雑になる
相続によって不動産を譲り受けてから長い間放置し、その後不動産を売却しようとした場合、2次相続によって権利関係が複雑となり、遺産分割協議書を作成することが困難になる事があります。
③不動産を担保に融資を受けられない
相続登記により相続人名義に変更していないと、金融機関等が(根)抵当権などの担保権をつける事ができず、不動産を担保に融資してもらう事ができません。
その他、法改正以降は、ケースにより過料(10万円以下)に科せられる事もあるため、今後は、相続登記は必ず行う必要があります。
相続登記の義務化は、今後、相続が発生される方だけでなく、これまで相続登記を行っていなかった方も、対策を検討しておく必要があります。
該当される方は、一度ご相談ください。